健康 分子栄養学

男性不妊の原因にも?亜鉛のはたらきについて

 

 

 

1.亜鉛とは

亜鉛はミネラルの一つで、生命の維持・細胞の正常な分裂、分化に大きく関わっています。

補足 - 分裂と分化 -

細胞は「分裂」をくりかえすことで数を増やし、「分化」することで、それぞれが役割にみあう機能を身につけていきます。お母さんのおなかの中にある1つの細胞(受精卵)が、どんどん分裂してたくさんの細胞に増えていきます。数が増えるにつれて、一部は分化を始めます。だんだんと皮膚のようになっていく細胞や、心臓のような筋肉になっていきたい細胞や、脳になっていきたい細胞たちに分かれていくことが分化です。

亜鉛は大人の体内に約2g含まれており、鉄の次に多い微量ミネラル。体内で300種以上の酵素を正常に働かせるためにもとても重要です。体の中では筋肉に60%、骨・骨髄に20~30%、皮膚と毛髪に8%という割合で分布し、組織濃度で見ていくと前立腺がもっとも多く、膵臓、肝臓、腎臓、心臓で多いとされています。

2.亜鉛のはたらき -セックスミネラルと呼ばれる理由-

亜鉛のはらき

  • 皮膚・爪の再生(怪我や火傷の回復促す)
  • 抗炎症作用
  • 代謝を正常化する、成長を促す
  • 免疫活性化(免疫に関わるリンパ球を作る)
  • インスリンの効きを良くする(インスリンの構成成分)
  • 妊娠の維持
  • 骨を丈夫にする
  • 味覚・視覚・嗅覚を正常にする
  • 脱毛を防ぎ、健やかな髪
  • 精力増強
  • 前立腺障害を防ぐ
  • からだの酸化を防ぐ抗酸化 など

亜鉛が不足すると

  • 炎症が起きやすい
  • 免疫低下、風邪を引きやすい
  • 抗酸化力低下 アンチエイジングの大敵
  • 味覚障害
  • ドライアイ
  • 口の中が乾くドライマウス
  • イライラ(亜鉛のブラザー”銅”も関係)
  • 薄毛、抜け毛
  • 糖尿病
  • 無欲化、情緒不安定、行動異常、記憶障害、うつ症状
  • 傷の治りが遅い
  • アトピー、皮膚炎(びらん、水疱、乾燥など)
  • 不妊
  • 認知症
  • 下痢、胃腸障害、食欲不振
  • 性腺発育不全がおこる
  • 成長が障害され、低身長とな
  • 精子の形成が障害され、男性不妊の原因となる
  • 鉄欠乏性貧血 など

さすが分化に大きく関わっている亜鉛、生殖機能にも影響を与えることから”セックスミネラル”と呼ばれたりもします。

男性のお悩みツートップとも言える「毛髪」と「下半身」の問題にも亜鉛は必須ですし、もちもち肌とつややかな髪を手に入れたい女性にも、細胞分裂は盛んな成長過程の子どもたちにも、性別問わず全員に必須の栄養素と言えます。

性欲低下や勃起障害の原因はいろいろありますが、1つには、男性ホルモン(テストステロン)の減少があると言われています。現時点で亜鉛とこれらの関係はよくわかっていませんが、毛髪の亜鉛の濃度が高い男性は、血中のテストステロン値が高いという報告[*]があることから、テストステロンの維持には亜鉛が有効と考えられます。

[*]Chang et al. Biol Trace Elem Res. 2011

3.見た目でわかる亜鉛不足 -チェックリスト-

2のように細胞の分裂・分化に影響をもたらす亜鉛。外見からわかる場所では、髪の毛・皮膚・爪などヒトの体で分裂が多い場所に変化が出ます。

爪に白い点々が見られたら、亜鉛不足が疑われます。これはケラチンから爪に変わる過程で、その変化スピードに栄養が追いつかず空気が入り白く見えます。白い点がなくとも、爪が変形したり、割れやすい方も不足気味かもしれません。

肌や粘膜に潤いを保つためにビタミンAが働いていますが、ビタミンAの代謝の過程で亜鉛が必要なため、亜鉛が足りない=ビタミンAをうまく使えない→肌がカサカサ、唇皮むけ、目はしょぼしょぼとなります。

4.亜鉛のとり方

食事で摂る場合▷亜鉛は牡蠣・レバー(豚レバー>牛レバー>鶏レバーの順で多い)・カラスミ・マトン(モモ)・牛肉(特に肩ロース、>テール>ヒレ>モモ>サーロインの順に多い)・かに(タラバガニ、毛ガニ)・卵黄・煮干し・するめ・ホタテ・うなぎ・パンプキンシード など

サプリメントでとる場合~30mg/日 服用する場合は必ず食後に飲みましょう。

人によっては~30mg/日以上の量が必要な場合もありますが、薬理効果をもたらすということは、薬同様副作用が全くないとは言えないのがサプリメント。お医者さんに相談です。(全国の栄養療法実施医療機関はこちら)

気をつけたいこと

食品添加物によって亜鉛が排泄されやすくなります。亜鉛ロスが多い食生活の人は、食生活の見直しと共に、意識的に上記の食材をとると良いでしょう。外食はファミレスよりも食材にこだわっているお店がいいですね。

亜鉛だけでなくミネラルはもともと吸収率が30%ほどと低いですが、腸内環境が悪いとさらに吸収が悪くなります。せっかくの栄養を体内に届けるためにも、消化吸収能力を高めましょう。今すぐできる対策は、よく噛むことです。

さらに、亜鉛には”ブラザーミネラル”と呼ばれる相方、の影響を大きく受けます。銅亜鉛バランスが崩れるとメンタルの不調を引き起こしたり様々な不定愁訴を生みます。積極的に亜鉛を取ることも大切ですが、銅が多い食品(肝・カカオ・ナッツ・チョコなど)をとり過ぎないことも大切です。

これらの情報は医学的な診断をするものではありません。ヒトの身体はそれぞれ違い、一概に言えないことがほとんどです。一つの情報としてとらえていただき、さらなる健康のためにご活用ください。

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